野菜の育て方・栽培方法

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土作り

野菜栽培に良い土壌をつくるには、堆肥や腐葉土を定期的に土に混ぜることです。

野菜が育つのに良い土の条件には次のようなものがあります。
①保水性があり、排水性がある。
②通気性が良い。
③保肥力がある。
④土壌pHが適正である。

水を与えてもすぐに土から抜けてしまうと、野菜が必要な水分を吸収できません。保水性が必要です。
しかし、根がずっと水に使った状態では、酸欠になって腐ってしまいます。それで排水性も必要です。
空気の通りがないと酸素が不足します。それで通気性が必要です。
栄養成分が土にないと野菜が栄養不足になります。それで保肥力が必要です。
また、土が酸性化すると次のような害が出ます。
①リン酸がアルミニウムと結合し、野菜が吸収できなくなる。
②カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの栄養素が水に溶けなくなり、野菜が吸収できなくなる。
③土壌中の有用な微生物の活動が低下します。有機物の分解を進める微生物の働きが悪くなる。

上記の条件を満たす土がどんな土かというと、腐植を含んだ団粒構造の土になります。

腐植というのは、動植物の死骸(有機物)が分解されて土状になったものです。
団粒構造は、腐植や鉱物がくっついて固まったものです。
砂や粘土は、細かな鉱物からできていて単粒構造と呼ばれます。
粘土の鉱物粒子はかなり小さいので、粒子同士が密着して水の通り(排水性)が悪いです。
砂の鉱物粒子は粘土より大きく、粒子同士の間に隙間があります。それで、水の通り(排水性)が良いですが、保水力はありません。


砂や粘土のように鉱物のみからなる土(単粒構造)は、粒子の大きさによって保水性があるか排水性があるか決まります。
そして、保水性と排水性は両立しません。
一方、団粒構造は、団粒同士の間に隙間があるので排水性があります。
と同時に、団粒の内部に小さな隙間がいくつもあり、そこに水を保持できる性質を持っています。


また、腐植は肥料成分を保持する能力が高いので、腐植を含む団粒構造の土は保肥力が高くなります。

腐植には、団粒構造を促進し、保水性、排水性、通気性、保肥力をつけること以外にも次のような効果もあります。
●土壌pHの急激な変化を和らげる作用があるので、土壌pHが安定します。
●土壌中で徐々に分解し、栄養成分を補給します。
●土壌中のアルミと結合し、アルミとリン酸の結合によるリン酸の効きの悪さを改善します。
●微生物の餌にもなり、土壌中の有用な微生物が増えます。


腐植を含んだ団粒構造の土を作るには、分解有機物を含む堆肥や腐葉土を定期的に土に混ぜてやることです。
土の中で堆肥や腐葉土がさらに分解して、腐植になって団粒構造を作っていきます。
そのため、土作りには時間がかかります。

しかしながら良い土ができてしまえば、
水分補給、栄養補給、土壌pHなどに関して緩衝力がつくので、野菜の栽培が楽なります。
土壌が適宜、対応してくれるので、水分や栄養分の過不足をそれほど気にしなくてもよくなります。


用語
【単粒構造】土壌の粒子がバラバラの状態。
【団粒構造】土壌の粒子がくっついてある程度の塊を作っている状態。
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