ミツバチとハチミツ（蜜蜂と蜂蜜）

養蜂を始めるときに、巣箱を設置する場所は重要です。
ミツバチは巣の位置を一度覚えると、その場所に戻ってきてしまうので巣の位置は変えないのが原則です。
2km以内のところで巣箱を移動すると元の巣箱の位置に戻ってしまうので、移動するときは2km以上の遠くにします。
養蜂業者は花を求めて季節ごとに全国各地を移動しますが、個人の趣味で蜂を飼う場合には色々な場所に移動することはほとんどないでしょう。
初めに置いた場所から移動させることはしません。



それでは、どういう場所が適しているか。
まず、ミツバチの餌となる蜜源植物が周りにあることが必要です。
ミツバチの行動範囲は巣から2kmぐらいなので、半径2kmの円内にどのくらいの蜜源植物があるかで飼うことが出来る群れの数が決まります。
春から秋にかけては充分な蜜源植物が、冬にも何かしらの蜜源植物があるのが理想です。
周囲に果樹畑や花畑があると良いのですが、民家の庭の果樹や草花も蜜源植物になります。
住宅街でも1～2群ぐらいの巣の群れなら飼うことが出来ます。
ただし、個人の住宅の庭でミツバチを飼う場合には、近隣に気を使うことが大事です。
ミツバチは基本的にはおとなしいのですがミツバチを怖がる人もいますし、ミツバチの糞が洗濯物に付いたりすることもあります。

周りに蜜源植物があることが確認出来たら、次の段階です。
ミツバチは暖かいところが好きなので、日中は日が当たるところが良いです。
細かく言うと、夏は暑すぎてばててしまうので、夏は木陰になって冬は日差しが当たる落葉樹の下がベストではあります。
それが無理なら、夏には日差しを遮るものを作ってあげると良いです。
冬の寒さに弱いので、冬に日差しが届く場所を選ぶのが無難です。

他には病気になりやすくなるので、湿気の強くないところを選び、巣の下に台などを置いて地面から距離を取ります。
巣の周辺が騒がしいことも嫌うので、車や人の通りが多いところは避けます。

巣の出入り口の向きも需要です。ミツバチは太陽を利用して自分の位置を確認するので、巣の出入り口は南向きがベストです。
北向きは冷たい北風が巣箱内に入ってくるので良くありません。
また、巣の出入り口の前面には空間が必要です。巣の場所を覚える時には、その前面でホバリングをするので2mぐらいは欲しいところです。

以上のことを考慮して巣の位置を決めます。