巣門の外に運び出されたヘギイタダニの死骸(左写真中央部)、ヘギイタダニ(右写真)。
ヘギイタダニは、ミツバチに寄生するダニです。 セイヨウミツバチを飼う上で、ほぼ間違いなく防除せざるをえない病害虫です。 大きさ1mmぐらいで、あずき色の楕円形のダニです。肉眼で確認できます。
ヘギイタダニはミツバチの成虫、幼虫に寄生し、体液を吸います。 その際に、病気を媒介します。 寄生された幼虫は、羽が縮れたりして健常に羽化出来ません。 放っておくとミツバチの群れが弱体化します。
幼虫に寄生するときは巣房の中、成虫に寄生するときはミツバチの腹側に付くことが多いので、 ダニ寄生率が低いときは見つけにくいです。 ミツバチに寄生しているのを肉眼で気づくときには、かなり寄生率が高くなっています。 朝方に巣門の前をチェックして、羽の縮れたミツバチの死骸を確認できるときも寄生率が高くなっています。 粉砂糖を使ってダニの寄生率を調べる方法があるので、定期的にチェックするのが大事です。
ヘギイタダニはミツバチの巣内で一生を終えます。 ただ、ダニに寄生されたミツバチが他のミツバチの巣に迷い込んできたり、訪花で花にダニを落としてそれを拾ってきたりして、 ダニがミツバチの巣に入り込みます。ヘギイタダニが入り込むのは避けられないと考えた方が良いです。
ヘギイタダニを駆除するには、アピスタンとアピバールという医薬品を使います。 抵抗性のあるダニが増えないように、使用方法を必ず守ります。